Executive MBAという選択肢
2019年08月12日 公開
Class of 2020のMです。が、私の情報はStudent Dataの所にはありません。というのも、、、私はMBAはMBAでも『Executive』MBAの生徒だからです。Executive MBAって何?Executiveの為のMBA?生徒はみんな役員レベル??いわゆるフルタイムのMBAとの違いは何??その辺りの疑問に答えたいと思います。またこの情報が現在MBA留学を考えられている方のみならず一度留学を諦めた方にも新しいオプションを提供できることとなれば非常に嬉しいです。そして私のようにMBAなんて考えてなかった人にも。
Executive MBAとは仕事終わりの平日の夜や週末に授業が行われる『社会人MBA』の事です。私もいくつか受験しましたが、平日の夜に2回クラスがある大学もあれば、週末だけの大学もあります。また全てオンラインでやれる大学もあります。
■Vanderbilt Executive MBA概要
VanderbiltのExecutive MBAは基本的には隔週の土曜日、朝7時50分~夜6時30分までのクラスです(6コマ)。オンラインでは無く、全員が教室に集まっての授業となります。社会人が対象ですから、学生の多くはVanderbiltが位置するテネシー州ナッシュビル近郊に勤務しています。おおよそ2割程度の学生が州外から週末のみ通学しています。
2週間に1回の授業は一見余裕があるように思えますが、予習、復習、宿題(個人、チーム)、テスト勉強、を通常の仕事に加えてこなそうとすると意外と時間はありません。また平日も1~2回チームで集まります。
https://discoverbusiness.vanderbilt.edu/Executive MBA/
■Executive MBA入学のきっかけ
私は2017年4月より日系企業北米拠点に赴任してきました。赴任後、下記の理由でGMAT, Essay, Interview等の受験勉強を赴任後の2017年10月よりスタートし、2018年2月にVanderbiltに合格し、2018年7月よりClass of 2020として勉強しています。
• 30歳台も中盤を迎え、Senior Managementになっていく中、今一度勉強をしておきたいという思いがあったこと。財務諸表も読めないManagementになりたくない!(日本にいる時からそれは思っていて、2016年より中小企業診断士の勉強をスタートしていました。それまでは大学卒業後一切そういった勉強はしてません。)
• アメリカは日本のように夜中まで働く文化は無くアフター5の自由度が大きかったこと。
• Vanderbiltというアメリカ東南中部ではナンバー1であり、アメリカ全土でも知らない人がいない非常にレベルの高い大学が近くにあったこと。
■Executive MBAクラスメイト
クラスは面倒見が良いと言われるsmall schoolのVanderbilt MBA(フルタイム)よりもさらにサイズが小さく、Executive MBAは50名以下です。クラスメイトはテネシー州のメジャー産業であるヘルスケア系の社会人(医者が5人程度います。)及びテネシー州には日産自動車やブリヂストンの北米本社や工場がある事から自動車及び自動車部品系メーカーの社会人が多く、ユニークな企業では同じくテネシーに本社があるウィスキーのジャックダニエル、ギターのギブソン等からも生徒が来ています。またアメリカらしく現役を含む軍隊経験者も5人程度います。平均年齢は、おおよそ35歳で、MBAの平均年齢よりも7歳程度上の年齢層となっており基本的にマネジャー以上の役職で、一部社長、役員等のSenior Executiveもいます。平均社会人経験が5年前後のMBA(フルタイム)の生徒と異なり、Executive MBAは社会人経験が15年程度でしかも現役の社会人ですので、ケーススタディやそのソリューションが本当に『リアル』に実施している内容をお互い出し合って学びあうことが可能です。これが一番のExecutive MBAのProsだと思います。
■Executive MBAのPros Cons
(Pros)
意識のものすごく高い社会人が集まっているのでみんなの学ぶ意欲が高いです。幸か不幸か全くもってサボれません。またケースのみならず、先にも言いましたように各々の企業が実際に現在取り組んでいて、それを立案したりジャッジする立場の人たちが生徒なわけなので、本当にリアルな学びや刺激を得ることができます。
自分を含めみんな仕事がある中、ハードな個人宿題やチーム課題、テスト勉強をこなす必要があります。物事の優先順位を付ける能力、チームマネジメント力が格段に上がります。
MBA(フルタイム)に比べ留学生が基本ゼロでローカルの社会人ばかりなのでクラスでは全く私を外国人として扱ってくれません。ネイティブ英語についていくのがすっごくしんどいですが、、、その分成長も大きい。
(Cons)
Prosの裏返しになりますが、ローカル社会人が殆どですから多国籍なクラスではなく、8割以上がアメリカ人という感じです。それ故、MBA(フルタイム)のようにグローバルに友人ができるわけではありません。ただ、2年目にGlobal Trackのコースを選べば、カナダ、メキシコ、ブラジルの大学と1年を通して実際の現地へのTripを含め協業を行いますのでそこで補填することは可能です。私はそちらのコースを選択しています。
基本隔週のクラスですが、授業料はフルタイムMBA(月~木授業)と変わりません。
■Executive MBAは海外赴任者に最適
私のようにグローバルにビジネスをやっている企業で海外赴任される方にはこのExecutive MBAは本当にお勧めです。アメリカに関わらず日本より海外で働く方が多くの場合時間的余裕があると思いますし、赴任されている分、給与面も比較的手厚く学費に回せるお金も多いはずです。日本ではExecutive MBAはそんなにメジャーではありませんがアメリカやヨーロッパでは誰もが知っていますし現地のManagementも非常に高く評価してくれます。
海外赴任によって生まれた少しの余裕のある時間とお金を何に使うべきか?家族と過ごす時間を増やすのも良し、ゴルフを始めるのも良し、貯金するも良し。ただ、人生まだ折り返しにも来ていない方が多いと思います。その残り半分以上の人生に『今でしかできない将来への投資』をやりませんか??
MBAやExecutive MBAは今しかできないわけではありません。ただ、日本から自費でMBA留学をすると学費以外にも家賃や生活費、車代などが必要で、学費を含め総額約3000万円以上のコストがかかると言われています。一方で、海外赴任者は学費しか考える必要がありませんし、その上働いていますので給与も出ます。たしかに、1000万円を超える学費は確かに高額です。しかし、海外赴任できるような人財であれば、、、MBAを取れば全然ペイできると思いますし、ある意味、最もレバレッジの効いたリスクの少ない投資だと私は思っています。
■JBC(Japan Business Club)公式HP
http://www2.owen.vanderbilt.edu/owenclubs/japanese/jp/1_home.html